Thevenin等価回路

はじめに

電気電子系のカリキュラムに於いてThevenin等価回路(テブナン等価回路)は誰もが教わるであろうが、筆者は当時これの証明に思いのほか苦戦した記憶がある。先日ふと思い出したので、ここに書き残しておく。

arg maxarg min\providecommandrecterf\providecommand\providecommand\providecommandPr

主張

回路N
回路N
回路N~
回路N~

上図の回路Nのような、内部に電圧源と電流源を含む2端子線形回路Nを考える。Nの端子対A-Bを開放したときのA-B間の電位差をV0とし、A-B間の内部インピーダンスをZ0とする。このとき、端子対A-Bから見たNの振る舞いは上図の回路N~と一致する。

導出

回路Nと外部の電圧源
回路Nと外部の電圧源
回路N'
回路N’

以下では電圧・電流はPhasor表示したものとする。上図の「回路Nと外部の電圧源」のように端子対A-Bに電圧Vを出力する電圧源を接続し、AからNに入り込む電流をiとする。Nは線形回路であるから、iα,βCとしてi(V)=αV+βなる関係に従う。まず明らかにi(V0)=0である。次にV=0のときの電流を測定し、i0:=i(0),Z0:=V0/i0とする。ことのき、次に示す上図の回路N’の回路Nの端子対A’-B’から見た振る舞いはNと一致する。

Z0Z0と一致することを示す。線形回路に於ける重ね合わせの理から、上図の「回路Nと外部の電圧源」に於いてV=V0としたときの電流i=0V=0のときの電流i(0)と、V=V0かつ回路Nの内部の電源を全てoff(電圧源は短絡で、電流源は開放で置き換える)にしたときの電流i1との和である。よってi1=i(0)=V0/Z0であり、これは内部インピーダンスZ0の回路内の電源をoffにして外部に電圧V0の電圧源を接続したときに端子対に流れ込む電流と等しい。

投稿者: motchy

DSP and FPGA engineer working on measuring instrument.

コメントを残す