はじめに
ADC, DAC の ENOB を SN 比を用いて表す式は良く知られている。本記事ではその導出を記す。
主張
ADC(または DAC)の量子化誤差が(誤差の上限と下限の間で)一様分布すると仮定する。ADC(または DAC)の SN 比が
導出
ここでは ADC について示すが、DAC に於いても同じ議論ができる。
ADC を(量子化誤差以外の誤差を一切生じない)完璧な量子化ブロックとその前段にある雑音生成ブロックの組み合わせでモデル化する。入力信号は雑音生成ブロックで生じる雑音が付加されて量子化ブロックに到達する。(本物の ADC の雑音の発生機構はより複雑であろうが、それは利用者には殆ど不可知である。外部から見た挙動がよく一致していれば実用上問題が無い。)
「ADC の SN 比」とは入力信号のパワーが 0 dBFS であるときの、入力信号のパワーと雑音のパワーの比である。0 dBFS は full-scale の振幅
雑音信号
ADC のビット幅を