はじめに
工学の分野でしばしば登場するノイズのモデルとして white Gaussian noise があるが、 white である(エネルギー・スペクトラム密度が平坦である)理由を筆者は今まで考えたことが無かった。今更ながら気になったので考察する。正規分布する複素数サンプル時系列データの DTFT (離散時間 Fourier 変換)のエネルギー・スペクトラム密度が確率変数であり、分布が周波数に依らず一定であることを導出した後、数値実験の結果を載せる。
主張
導出
数値実験
ここでは、ディジタル無線のI,Q信号に加わる加法性ノイズを想定し、実部と虚部が独立に正規分布
以下に Mathematica による実装を示す。エネルギー・スペクトラム密度 (DTFT の絶対値の2乗)が確率分布し、分布が周波数に依らないことが確かめられる。また、エネルギー・スペクトラム密度を