帯域制限された信号が一定時間間隔で無限に配置されると定数になる

はじめに

位相変調による通信の目的で設計された回路に於いて、シンボル周期と同じ時間間隔で同じ大きさのパルスを Raised-Cosine フィルタに入力し続けると出力は一定の値になる。直感的には Raised-Cosine フィルタのインパルス応答が見えるように思えるが、そうはならない。本記事ではそのことを一般の帯域制限信号について証明する。

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トーンの線幅とSFDRに対する窓関数の影響

はじめに

正弦波信号の DFT に於いて、その周波数が DFT の bin にピッタリと当たらないとき、その周波数の近傍の bin が大きい値をとり、線幅が広がる(不連続な周期関数の影響)。対策として窓関数を掛けることが定石であるが、それで本当に線幅が狭まることは想像しにくいと感じたため、数値例を載せておく。

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差動入力のバイアス回路の入力インピーダンス

はじめに

とあるクロック・バッファのデータ・シートを見ていると、差動入力のコモン電圧をバイアスする使い方の回路図が示されていた。自分はエレキを生業としていないが、ふと気になって入力インピーダンスが終端抵抗とほぼ等しくなることを確かめたくなった。本記事ではその計算過程を示す。

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窓関数の周波数帯域幅と時間長の関係

はじめに

窓関数の時間長と周波数帯域幅の間には反比例の関係がある。周波数領域に於ける重みが狭い範囲に集中する(つまり分解能が高い)につれて時間領域に於ける長さは大きくなる。本記事は Brick-wall, Gaussian, Hann のタイプの窓関数について時間長と周波数帯域幅が反比例の関係にあることを示し、所与の周波数範囲に重みの 95 % 以上が集中するために必要な時間長を数値的に示す。

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