はじめに
正弦波信号の DFT に於いて、その周波数が DFT の bin にピッタリと当たらないとき、その周波数の近傍の bin が大きい値をとり、線幅が広がる(不連続な周期関数の影響)。対策として窓関数を掛けることが定石であるが、それで本当に線幅が狭まることは想像しにくいと感じたため、数値例を載せておく。
少しだけ考察
SFDR
詳しく考察していないが、元々の信号のフロア・ノイズと窓関数のフロア・ノイズのうち悪い方に制限されると考えられる。数値実験からは影響がよくわからない(窓関数の周波数スペクトラムが奇麗すぎるのが原因かも)。
狭線幅化
窓関数を掛けてから DFT すると、前記の広がったピークに窓関数の DFT の巡回畳み込みが作用して、驚くことに線幅が狭くなる。エネルギー・スぺクラム密度だけを見ている限りでは信じがたいが、DFT そのもの(複素数値)に立ち返って考えると、実部と虚部が都合よく相互作用して線幅が狭くなる余地が残っていても不思議ではない。